● 発作性上室性頻拍とは?
心臓の上の部屋(心房)を中心に、電気信号が異常なループを作ってぐるぐる回ることによって、突然速くなる不整脈です。
- 「発作性」=発作的に突然始まり、突然止まる
- 「上室性」=心室より上(心房や房室結節)で発生
- 「頻拍」=脈がとても速くなる(1分間に150~250回など)
● 症状
- 急に始まる動悸(ドキドキ)
- 胸の不快感や圧迫感
- 息切れ、めまい、ふらつき
- 発作は数分から数時間続くことも
- 自然に止まる場合もあれば、止まりにくいときもある
● 原因とメカニズム
心臓の電気の通り道に「2本の経路」があることで、電気がぐるぐる回ってしまうのが原因です。
代表的なタイプには:
- 房室結節リエントリー性頻拍(AVNRT)
- 房室回帰性頻拍(AVRT)(WPW症候群など)
どちらも、先天的に持っている「異常な経路」が関係していることが多く、若い人でも起こります。
● 診断
- 発作中に心電図をとることで確定診断ができます
- ホルター心電図や携帯型心電計を使う場合もあります
● 治療
1) 発作時の対応
- 迷走神経刺激法(息をこらえる、顔を冷やす など)で止まることもあります
- 薬(ベラパミルやATPなど)で止めることも可能
- 緊急時には医療機関で電気ショック(カルディオバージョン)を行うこともあります
2) 根本的な治療
- カテーテルアブレーション(焼灼治療 / 冷凍凝固治療)が非常に有効
- 足の付け根からカテーテルを入れ、異常な経路をピンポイントで焼き切る
- 治療成功率は高く、再発率は非常に低い(90%以上の完治率)
- 正常な電気の通り道に近い場所に「異常な経路」が関係している場合、冷凍アブレーションの方が安全性が高い場合がある
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