● 体に埋め込まれているペースメーカーやICDの機械・リード(電線)を取り外す治療です
通常、ペースメーカーやICDは長期間安全に使用できますが、以下のような場合には、本体やリードを取り出す(抜去)治療が必要になります。
● なぜ取り出すの?
主な理由は以下の通りです:
- 感染症(デバイス感染)
→ 傷口の腫れ、膿、発熱など。感染を完全に治すためには抜去が必須です - リードの故障や断線
→ リードの動作不良や電気が正しく伝わらない場合 - 不整脈のタイプが変わった、デバイスが不要になった
→ 心機能が回復した、または別の治療に切り替えた場合 - リードの位置が悪く、症状や合併症を起こしている
● どうやって抜去するの?
- 専用の器具(シース)を使い、心臓や血管から慎重にリードを取り出します
- 通常は鎖骨下の傷口から行い、全身麻酔または鎮静下で実施
- リードが長期間体内にあると、心臓や血管の壁に癒着しているため、専門的な技術が必要です
主な方法:
- 単純牽引(引っ張って抜く:比較的新しいリード)
- レーザーシースや機械式シースで癒着を剥がしながら抜去(古いリード)
● 治療のリスクと対策
- 血管損傷、心タンポナーデ、出血などのリスクがあります(頻度は低い)
- 古いリードや脆いリード、若年で植え込んだリードなどは抜去することが難しい場合があります
- そのため、緊急手術に対応できる専門施設で行うのが原則です
- 必要に応じて、一時的なペーシングや、新しいデバイスの再植込みを行います
● 抜去後の対応
- 感染が治まってから、新しいデバイスを再度植え込むこともあります
- 抜去後、デバイスなしで経過観察する場合もあります(症状や心機能による)
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