● ペースメーカーやICDを入れた後に起こる「感染症」のことです
ペースメーカーやICD(植込み型除細動器)など、心臓に関係する医療機器(デバイス)を体内に入れたあとに、細菌などの感染がデバイスやその周囲に起こることがあります。これを「デバイス感染症」といいます。
● どこに感染するの?
- 皮膚の下のデバイス本体の周囲(ポケット部)
- 心臓の中に入っているリード線(電線)部分
→ いずれも命に関わる重い感染症になることがあるため、早期対応が大切です
● 主な症状
- デバイスのあたりが赤く腫れる・熱をもつ・膿が出る・強い痛みがある
- 発熱が続く(風邪のような症状がないのに)
- 体がだるい・寒気がする・食欲が落ちる
- 感染性心内膜炎(心臓の内側の感染)になると命に関わることも
● なぜ起こるの?
- 手術時に皮膚の細菌が入り込んでしまう
- 血液中に細菌が入って、そこからデバイスに付着した(血行性感染)
- 高齢・糖尿病・免疫低下状態などもリスクを高めます
● 治療は?
原則として、「デバイスの完全抜去(取り出し)」が必要です
- デバイスやリードは体の中で感染源になりやすく、抗生物質だけでは治りにくいため
- 一度すべて取り出して、感染を完全に治してから、必要があれば新たなデバイスを再植込みします
- 一時的に体外式ペーシング(外から脈をコントロール)を行うこともあります
● 予防のために大切なこと
- 手術後の傷口は毎日清潔に保ち、異常があればすぐ報告
- 発熱が続いたり、体調がおかしいときは早めに病院へ
- 抜歯や手術など、出血を伴う処置の際は事前に医師へデバイスのことを伝えることが重要
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