心室期外収縮について

● 「心臓がドキッと飛ぶような」脈の乱れです

心臓は電気信号により一定のリズムで拍動していますが、本来のタイミングよりも早く心室が収縮してしまう脈のことを「心室期外収縮」といいます。

  • 健康な方でも1日に数回程度は見られることがあります
  • 自覚症状がないことも多いですが、動悸、胸の違和感、ドキッとした感じを訴える方もいます

● よくある症状

  • 胸が「ドキン」とする、脈が飛ぶような感覚
  • 胸の不快感、息苦しさ
  • 連続して起こると「心臓がバクバクする」ように感じることも
  • 全く無症状のこともあります

● 心室期外収縮の多くは「経過観察」で大丈夫

  • 心室期外収縮は良性の不整脈であることが多く、特別な治療をしなくても問題ないケースが大半です
  • 特に症状がない場合や、心臓の機能が正常な場合は経過観察が基本です

● 治療が必要になるのはこんなとき

以下のような場合には、より詳しい評価や治療が検討されます:

1. 症状が強い(有症候性)

  • 動悸がつらく、日常生活に支障がある
  • 胸の不快感や息苦しさが強い

2. 頻度が高い(1日の心拍数の15%以上)

  • ホルター心電図で1日に数千回以上の期外収縮が記録された場合
  • この程度になると、心臓のポンプ機能が徐々に低下するリスク(心機能低下)が出てきます

3. 連続して出ている(連発)≒ 心室頻拍の記録がある

  • 連発することでより危険な不整脈に進展することがあります
  • 心室頻拍(VT)の記録があった場合や、失神歴がある場合は、突然死リスクへの備えが必要になることもあります

●薬による治療について

  • 抗不整脈薬による治療もありますが、効果には個人差があり、完全に抑えきるのは難しいことが多いです
  • 一部の薬は副作用のリスクもあるため、根本的な治療を望む方にはアブレーション治療を検討します

● カテーテルアブレーション治療

♦︎対象となるのは:

  • 症状が強い(有症候)
  • 期外収縮の頻度が高い(総心拍数の15%以上)
  • 心室頻拍が確認されている
  • 不整脈による失神歴がある場合

♦︎ 方法と特徴:

  • カテーテルを足の血管から心臓に挿入し、異常な電気信号の出どころを特定して焼き切る治療です
  • 成功率は高く、症状の改善や心機能の回復が期待できます
  • 数日の入院で行うケースが多いです

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